西洋占星術のアスペクトとオーブ

西洋占星術のアスペクトとオーブ 基本

はじめに

西洋占星術において、天体や感受点が互いに形成する特定の角度をアスペクト(座相)と呼びます。

アスペクトは、惑星同士や感受点が互いにエネルギーを交換し、影響を与え合う象徴的な配置です。

本稿では、アスペクトの種類と、ホロスコープを読む際に用いるオーブ(許容誤差)の基準について解説します。

アスペクトの分類

アスペクトは主にメジャーアスペクトとマイナーアスペクトに大別されます。

ネイタルチャートの解釈では、メジャーアスペクトを中心に鑑定を行いますが、重要なマイナーアスペクトも補助的に用いることがあります

1.メジャーアスペクト(主要座相)

名称角度性質
コンジャンクション(合)0度ソフトまたはハード(天体による)
セクスタイル(六分)60度ソフトアスペクト
トライン(三分)120度ソフトアスペクト
スクエア(矩)90度ハードアスペクト
オポジション(衝)180度ハードアスペクト

2.マイナーアスペクト(副次座相)

名称角度性質
インコンジャンクト/クインカンクス150度ハードアスペクト(※)
セミセクスタイル(半六分)30度ソフトアスペクト
クインタイル/キンタイル72度創造的ソフトアスペクト
バイクインタイル144度創造的・中間的性質
セミスクエア(半矩)45度ハードアスペクト
セスキコードレイト/セスキスクエア135度ハードアスペクト

※インコンジャンクト(150度)は一般にはマイナーアスペクトに分類されますが、本稿では重要な緊張を示す座相としてメジャーアスペクトに次ぐ扱いとします。

アスペクトにおけるオーブ(許容誤差)

実際のホロスコープでは、天体が正確に特定の角度で配置されることは稀であるため、一定の誤差範囲(オーブ)を許容して読み取ります

このブログでは、以下の基準に基づいてネイタルチャートを解釈します。

ネイタルチャートにおけるオーブ基準

種類許容オーブ
セクスタイル(60度)±6度
その他のメジャーアスペクト(0,90,120,180度)±8度
インコンジャンクト(150度)±3度
アングル(ASC・MCなどの軸)と天体のアスペクト【特にコンジャンクション】±5度
アングルと天体のインコンジャンクト±3度
アングルと感受点・小惑星のコンジャンクション±5度
①アングルと感受点・小惑星のアスペクト【コンジャンクション以外】

②アングル以外の感受点と小惑星のアスペクト

③感受点同士のアスペクト

④小惑星同士のアスペクト
±2度
マイナーアスペクト全般±1度

小惑星・感受点のアスペクトに関する補足

ちなみに、小惑星と(アングル以外の)感受点、小惑星同士・(アングル以外の)感受点同士のみで形成されるアスペクトに関しては、

  • 基礎的な人格や運命形成に直接関わる影響力が弱い
  • 感受点(リリス・ノードなど)は物理的天体ではなく象徴的なポイント
  • 伝統的占星術では扱われてこなかった
  • 解釈の根拠が不安定になりやすい

という理由から、原則としてあまり重要視せず、必要であれば「補助」として参考程度に扱っても構いません。

ただし、ASC・MCなどのアングル(軸)は、「天体に準じる非常に強力な感受点」であるため、ここに触れるアスペクトは、象徴するテーマを現実世界に強く具現化・表現しやすくなります。

小惑星やリリス・ノードなどは、単体では「背景的・潜在的」な意味を持つことが多いですが、ASCやMCとアスペクトを取ることで前景化され、人生上で可視化・具現的経験になりやすいのです。

ゆえに、小惑星・リリスやノードなどの感受点がASCなどのアングルに触れる場合は、「例外的に重要視」します。

なぜなら、アングルがそれらの象徴を「個人の現実・社会に反映させる導管」だからです。

その他技法におけるオーブ基準

トランジット、シナストリー、プログレスなど、動的技法におけるオーブの目安は以下の通りとします。

技法許容オーブ
トランジット(経過)±3度
(天体の影響力により、補助的な要素として±5度まで調整する)
シナストリー(相性)±3度
(天体の影響力により、補助的な要素として±5度まで調整する)
プログレス(進行)±1度

なお、動的技法におけるインコンジャンクト及び感受点・小惑星が関係するアスペクトのオーブは、いずれも±1度とします。

まとめ

オーブの取り方には流派や解釈者による違いがあります。

上記は実用上の一般的な基準として示していますが、個々の天体や状況に応じて柔軟に調整することも重要です。

※西洋占星術の基本に関して、ぜひこちらの記事もご参考ください。

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